博品館劇場、入場してチケットもぎられるとチラシと俳優さんのミニプロマイドもらえますた。
ヒロインお鈴役の人でやったーとなるわし。
んでロビーに飾られた主人公の軍服姿の立て看板
鬼滅の刃かなとなった。
鬼殺隊の隊服は、明治初期の軍服の影響で詰襟の上着、
下はたっつけ袴に足にはゲートルを巻いてと和洋折衷なデザインなんですなと
ふと思ったり。
いやもういっそのことOSKで鬼滅の刃してくれないかな。
翼さんが炭治郎くんで(無理を言うな)
オケはちゃんとあるのか?と不安だったけど舞台前オケピはないが舞台後ろにあるっぽい
音出ししてる!やったー!!となるわし。
客席にはチラシと協賛企業のおみやげがセットされてる。
リピーター特典キャンペーン?
リピートしたいよ!でも完売御礼でこの日しか取れんかったのだよ!
オーバチュアに明治初期の話かかからむからかトコトンヤレ節が流れて鬼滅の刃感がマシマシになる 。
刀鍛冶の郷で甘露寺さんが歌ってたあの歌はこのオーバーチュアの曲。
第二次大戦下、ある記者が西南戦争を生き抜いたかつての少年兵にインタビューをされるというところからスタート 。
幕末に没落し武家の子弟ながら薬屋の奉公に入った主人公、西南戦争に出兵する兵士の募集に何とか潜り込み、戦う者として身をたてる!と兵士になるけど戦ううちに自分が信じていた武勲を立てることについて疑問を抱くようになる、という話。
「記者」がこのお話の重要なカギになっていて、
冒頭に記者が主人公から
「正面きって戦うことだけが戦うことでも敵兵を討ち取ることだけが戦果でもない。生き残れば必ず次の戦果に繋げていける」
と第2次大戦下の大阪の市井の人々の空気を冷めた目で見ながら諭される。
「華々しく戦場で戦って死を遂げる」という武士の戦いの美学とは真逆の「武士らしくない」生き汚さを「へぼ侍」と自虐的にいっている?というのがわしの印象かな。
ここが良かった
先輩一ズの博打好きの色男松岡殿と中尉殿!
中尉殿と歌うまで気になった記者さんは目で追っちゃう。
理屈なしに贔屓を見つけるというのがわかった気がする。
主人公、商家での奉公から獲た経験からあれこれ対処を思いつき身を救ったり仲間を探し当てたりという武士らしくない、というけどゲリラ戦とか情報戦向けの戦術を考えて立ち回れる賢さがあるタイプ。
武器をとって正面きって戦うことだけが戦うことじゃない
薩軍の軍票を上方で売って前線での資金を稼ぐというのが現金でまあ楽しい!ウッハウッハとなるナンバーと浮かれて踊るのが見てるこっちも楽しくなってくるのがいい。
1幕の終わりのあれどこのレ・ミゼラブルですかとなった。
主人公とお鈴がバルジャンとコゼット、女郎と女郎屋のあんちゃんがテナルディエ夫妻、薩摩側の兵士が学生たち
みたいな。
2幕で敗走した西郷を追う任務を追う主人公、記者と一緒に薩摩に行商として潜り込む 。
買った膏薬が良く効いたとうちの旦那があんたに礼を言いたいと土地の人の家に招かれる。
出会った昔武士だったという主人、映像をうまく使って主人に勧められた酒に酔った主人公のみた夢だったのかという描写、いぶかしんでいたらじつはあの主人が西郷で、膏薬の礼をしたためた手紙を残して逃げられてしまう。
松岡殿の正体、本当は没落したお武家さんではなく賭場で死んだ「士族の松岡」に成り代わって兵士になったのを中尉殿に見破られるエピソードがたまらなかった。
「オレは偽物かもしれないがオレは本当の侍になりたかった」
「オレの戦果は嘘じゃない」
っていうのがねえ!
良いよね!美学ある影のある男大好きだよちくしょう。
そしてそれを誰にも明かさない中尉殿!
たまらんですな。
男の美学、戦う者の気高さとか優しさの輝きを描くのに適しているのが命のやり取りのある場所なのかもなぁと思ったり。
兵を除隊した主人公はヒロインお鈴を女郎屋から救って結婚、妻を伴って大阪に帰り、かつての奉公先である薬屋に「アンタんとこの商品に西郷の傷を癒した膏薬という箔がついた!」と付加価値をちらつかせて記者と東京でジャーナリストという戦い方を学びに行く資金を集め、自分の出版社を設立し「戦果」を挙げていく 。
冒頭の記者、第二次大戦を経て日本を戻ってきて主人公の戦い方と彼を導き、政治家になった記者犬養の戦い方の価値について噛みしめ、また意志が新しい時代に受け継がれていく、というエンディングになる。
2幕エンディングに主役の翼の挨拶、エンディングにパラソル持って歌うOSKのテーマソングというべき桜咲く国 。
あーWikipediaで見たやつ!とパラソルを使ったダンスにまたぶち上がったり。
配役は番手ありき、上手でも下級生はアンサンブルではなく上級生でも抜かれるのは当たり前、という方が作品の質が上がると思った。
あとなんかな。ノリがユニバのショーの空気ににてるんですな。
実力あるからここにいますが?という自負はあっても「自分は選ばれた特別な存在なのよ!」という嫌みがない感じ。
自分今の宝塚より昭和の宝塚が好きなんですな。
宝塚が大きくなりすぎて、映画より安く気軽にレビューをみられる時代が遠い昔になって失ったものがある、というか。
宝塚は今まで長らく独り勝ちして「生活がヅカ」というファンに甘えてきてジェンヌさんや裏方スタッフをやりがい搾取で捨て駒扱いたことを顧みてほしい。
また見に行くよOSK。うん。好きだよOSK。
さくーらさーくーくにーさくーらさーくーらーってすごくキャッチーで素敵な歌だと思う。
帰り路ずっと頭の中をぐるぐるしてた。すっごく幸せな気持ちになれる。